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Handout

ハンドアウト

2016 / スイッチ、Arduino、プリンター、紙

 本作品は、生理学者ベンジャミン・リベットのとある実験に基づいて製作した「ハンドアウトを印刷するための装置」である。
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 『リベット*は、被験者に好きな時にスイッチを押してもらう実験をしました。するとスイッチを押したくなる前に、すでに脳はスイッチを押す準備を始めている、それも1秒くらい前に始めているということを発見したんです。』
*ベンジャミン・リベット(1916〜2007)米国の生理学者。
「和解する脳」 池谷裕二・鈴木仁志 著 講談社

 『リベットは人々に、彼らが選んだ任意の時間に手首を動かすことを求めた。参加者は、時間を示す動く点を見て、彼らが手首を曲げようと決めた正確な瞬間(に点がどこにあったか)を心に留めておくように求められた。彼らは実際に運動を始める約二〇〇ミリ秒前に意図を持ったと報告した。リベットはまた、脳内の「準備電位」を計測している。これは(運動の制御に関わる)補足運動野からの活動記録によって明らかにされた。この準備電位は実際の行為の開始におおよそ五五〇ミリ秒も先立って生じる。したがって、運動を生み出す脳内事象は、実験の参加者当人が決定を下したことに気づくよりも約三五〇ミリ秒前には起こっているということになる。(中略)
指が動くのが「意図」よりも遅いというのは、もちろん予想通りである。一方、運動準備電位が「意図」よりも三五〇ミリ秒早いということは、心が「動かそう!」と「意図」するよりも前に「無意識」のスイッチが入り、脳内の活動が始まっているということを意味する。』
「マインド・タイム 脳と意識の時間」
ベンジャミン・リベット著 下條伸輔・訳 岩波書店
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 箱状の作品の上部についているスイッチを鑑賞者が任意のタイミングで押すと、ハンドアウトが印刷され、箱のスリットから出てくる。ハンドアウトに記載されたこの作品の解説にはリベット博士の行った実験についてが書かれている。


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