アカシックバグ

2016 / モニター、映像、プリンター、紙 / サイズ可変（映像｜25分40秒)

　「バグを発生させる装置」を装着した人物が、それぞれの特定の日常的所作を記述している映像と、その記述されたテキストを印刷するプリンターで構成されたインスタレーション作品。タイトルは、1999年に「ノストラダムスの大予言」とともに話題となったアカシックレコードに由来している。アカシックレコードは宇宙の創生から終焉に至るまでの森羅万象の過去・現在・未来の全ての事象が記録されており、それが無意識のレベルで個人とリンクしていると言われているため「世界のすべての現象を記録した霊界のスーパー・コンピューター」などとも呼ばれる。「バグを発生させる装置」とは、装着した人物の筋肉に電気を流す仕掛けである。電気は、装置を身につけた人物の動作に影響を与え、その結果記述されたテキストにバグを生じさせる。人の意識や無意識から影響を受けない装置を用いることで、アカシックレコードに記された未来の記録に対する抵抗を試みた。