その時、私はちっとも不透明じゃなかった。（うちに帰ろうシリーズ）
2017 / すずらん型風鈴 / W13 D13 H25 cm
アレシボ・メッセージが宇宙を漂い始めてから46年が経った頃、地球を覆うデータの量は40ゼタバイト(400億兆バイト)に達すると言われている。 その中にいったいどれほど、忘れ去られたメモが含まれているのだろう。ビッグデータを元に人工知能を創造する実験が始まってしばらく経つが、インターネットの検索メディアはAIが行うキュレーションそのものだ。何かの必要性があって残されたメモ、つまり文字列や図像が意味を失い、また意味のないと思われたものがなんらかの関係性をもって他者に提示される。そして接続・投棄・誤読を繰り返しながら、人間の処理速度では追いつかない速度で鳥のように空気の中を飛行している。 それらを収集し、立体デッサンしたものが、この「うちに帰ろうシリーズ」にあたる。
